第14回 講師:重康博さん(15期生)ストレスやら怖くなか=しれーっと生きんしゃい=

日 時 4月16日(火) 19時~  
テーマ ストレスやら怖くなか
    =しれーっと生きんしゃい=
講 師 重康博(15期生)
    企業研修プランナー

<概要>
 城南高校在学中は山岳部に所属、明治大学文学部を経て現在は株式会社ファームでビジネス研修を担当。企業内での社員研修に携わる。今回はこの企業研修で培った実務での知見と経験に基づく講義となった。
 自分に満足している感覚、つまり自分を肯定する感覚(自己肯定感)を持つ国民の割合は、欧米諸国で80%台なのに対し、日本は40%台。自己主張よりは共調性を重んじ、遠慮したり控えたりする国民性が要因とも考えられている。
 ストレスとは心身に何らかの負荷がかかったときに生じる緊張状態をいう。例えばスポーツ競技など自己成長のために有益なストレスもあれば、人間関係や仕事で背負うストレスもある。ストレスへの抵抗エネルギーが枯渇したときに人は疲弊する。
 自分は何に対してストレスを感じやすいかなど「自分を知ること」が重要で、これは自分の思い込みや考え方のクセを知ることであると述べられた。そして、ストレスを感じたり反応することは心理的作用で、これを自らコントロールし得たときにストレスから解放されるという。これを可能とするユニークな方法のひとつを紹介された。
 それは、自分のストレス反応は自分が感じるのではなく「自分が飼っている犬(思い込み犬)」とし、その犬を手なずけることでコントロールできるという。つまり心での反応を「飼っている犬が吠えている」と客観視することで、心の反応を自分が第三者的に冷静に観てコントロールするのだという。
 例えば、ストレスを感じ始めた、思い込みが強まったときには「犬が吠え始めた」と考え、そして犬の反応に飼い主である自分が「その通りだね」と思えれば犬を受入れ(受容)、「100%正しくはないけれどまったく違うわけではないよね」と思えば、その犬と上手く付き合う方法を考え(訓練)、「まったく正しくないね」と思えばさっさと犬を手放す(追放)という思考方法である。
 心の中にいる犬は7種類、①正義犬(何が正しかを追求する犬)、②批判犬(とにかく他人を批判する犬)、③負け犬(他人と比較して気にする犬)、④謝り犬(何でも自分が悪いと思う犬)、⑤心配犬(将来が不安で悲観的な犬)、⑥あきらめ犬(なんでも無理という犬)、⑦無関心犬(どっちでもどうでもいいと思う犬)がいるという。
 また、自分の好きな「気晴らし方」を知っておくことも大切で、ストレスの原因から距離を置くこと、例えば心理面では好きな音楽や趣味に没頭すること、物理面では旅行や別の環境に身を置くことなどが効果的と述べられた。ほか、知見に基づいた数種のストレス軽減策を紹介頂いた。
 良い意味でも悪い意味でもストレス社会を生きている以上、必ずストレスを感じるものであるが、①自分のことを知ること、②心理反応を客観視すること、③適度な気晴らし方法を見つけておくこと、が最も効果的であると説かれた。
以上